今、無性に恋しくなった。

この広い部屋はあたし一人には広すぎて、そして物が少な過ぎる。あたしが転がり込んでからはある程度は増えたけどごちゃごちゃしているのを嫌う翔太を思えばあまり物が置けない。
たくさんの明かりが差し込む広い窓も今のあたしにとっては逆効果で。
遮光性のカーテンを閉めて、あたしは一人携帯を握る。
翔太と繋がっている携帯だけを頼りに。


淋しかった。
憎まれ口を叩いて、部屋に篭ってしまう翔太でも同じ部屋にいるという無意識下での安心感があることに気付いた。


広いベッドにあたし以外の温もりがないことも。

起きて、くせになってしまったこと。
腕を延ばしても翔太に触れないこと。


淋しかった。



ソファーに座れば、定位置に翔太がいないこと。



なにより、



言葉をくれないこと。