間が空いた


「…いいの?」

「いいよ」

何に対しての「いいの?」
何に対しての「いいよ」?


自分の家なのにソファで寝かすのは悪い
私だけベットなのもさすがに申し訳ない
と、いい子な私

我慢しているとして、同じベットで寝てなお手出さないってことはなくない?
と、不真面目な私

混在する


ユーマが立ち上がった瞬間、不思議な緊張感を感じる空気が流れた

あれ?
気のせい?

一瞬目つきが変わった気がしたけど、子犬みたいにも潜り込んでくるユーマに可愛さを覚える


やっぱり…


全く触ってくる気配がない

目を瞑って横で寝るだけ


意識してるのは、私だけ…



付き合ってもないのに手出されて、都合良い女止まりになるのも嫌だし…
一番誠実で、真面目だよね


そう言い聞かせて、私も目を閉じた

その時

「っ…!」

目を開けると少し怒ったような、真剣な眼差しのユーマがこっちを見ていた

え?怒ってるの?なんで?
眠れないとか?
ベット狭くて不機嫌とか?

私の疑問を目で訴えるも、答えてくれない

代わりに、肌に感じる違和感


いつの間にか私のお腹辺りにあった手が、徐々に上へと動く

もちろん、私の手じゃない

伺うような表情
慎重に動く手先


どうしよう…
さっきまで全くそんな雰囲気なくて、諦めていたのに
そんな不意打ちにされたら、頭が真っ白になる

さっき感じた空気、目付きが変わったのは、気のせいなんかじゃない

今、目の前にはっきり見える
ユーマの、男の目

そんな顔にもトキメキを感じてしまう私は、おかしいだろうか


でも、否定なんてできない

よくないことだってわかってる


頭ではわかっているのに、抵抗できない身体
拒みたくない心

引きずりこむ甘いキス
とろけそう



好きな人に抱かれる幸せ

この恋が報われないなら、ここで味わった方がいいんじゃないかとか

身体の相性だって、ポイントに入るなら


友達以上になれるなら…