こんなにも弱ってる…
泣きそうな声で呟いた「1人にしないで」

普段のユーマなら言うはずない
簡単に弱音を吐くような男の子じゃないから

どうしよう…
たまらなく痛々しい
それなのに同時にたまらなく愛おしい

コンちゃんと別れて1人で待つ

私だけでもいいって言ってくれたことが、少し嬉しかった

来たらなんて声をかけよう
上手くできるかわからないけど、私がいてよかったって思ってもらいたい
そんなことを考えながら、ユーマの到着を待つ

「ついた」

スーツ姿のユーマを見つけて、駆け寄る
苦しそうな笑顔に胸が締め付けられる
私、あなたの眩しいくらい嘘がない笑顔が好きだ
だけど今のは、むしろ嘘でしかないよね

「どこか入ろうか…」

って言っても、時刻も0時近い
明日も仕事だし、オールは厳しい

「今日、帰らない?」
今にも壊れそうなユーマを少しでも傷つけないように
言葉を選ぶ

「無理…てか俺もうすぐ終電ない」

ですよね…
ユーマんち終電早いもん…

「んーどこ入ろう…」
私が迷ってると

「すぐ…寝れるところがいい…
そんで、人目につかないとこ」
ユーマが呟いた

それ…一ヶ所しかないじゃん…

今更恥ずかしさとかはない

オール後に2回くらい一緒に入ったことはある
あの4人で2:2に別れるとなると、ペアは決まっているから
だけど、どちらとも酔ってて、朝方だったし…


でも隣のユーマを見ると、何にも言えなかった
きっとすぐ寝れるところっていうのは、明日も仕事で、疲れているから
人目につかないところっていうのは、泣いてしまうかもしれないから

「…分かった」