ガヤガヤしてる
誰かといるのかな?

「なにー?」
「あー、えーっと
てかマリ大丈夫〜?」

「…なんでカイちゃん知ってんの?」
「コンちゃんから聞いたー」

あの夜、コンちゃんに電話して泣きじゃくって
でも別れた事実は私はコンちゃん以外誰にも言えなかった

言葉にするのが辛くて、私自身まだ受け入れられなかったからだろうか

まあ、彼女に話したら全てカイちゃんに伝わるのは今に始まったことじゃない

「カイちゃん…1年半付き合った彼と別れて、そんなすぐ大丈夫だと思いますか?」
「ははっ、てかなんで別れたの?」

土足で踏み込んでくんなよ…
でもこの軽い感じが今は少し助かる

少しでも笑い話にできるくらいがちょうどいい

「『好きかどうかわからない』だってさ」

大爆笑するカイちゃん
いや、まって、そんなに笑われるとさすがに痛いって

「そんな笑う?」
「いや、だって、なにお前ら同じ理由で振られてんだよ!」

お前ら…?



「いや、待て、俺はまだ振られてない!」


…!



電話越しに聞こえたカイちゃん以外の声

そこにいるの…?

「カイちゃん、今誰といるの?」