もしそうなったら、…大河はどうするのかな。


今のわたしたちの関係を考えたら、わたしは愛想を尽かされたっておかしくなかった。


明光学園の応援に専念しようと思っても、そんなことを考えたら、すぐにわたしの心が揺らいでしまうのだった。



「莉子!」


帰りの電車で声をかけられ振り返ると、そこにいたのは悠だった。


悠がいるということは――。

そう思って、悠の周りを見回すけど大河の姿はなかった。


「大河はレギュラーやし、残って練習してる。あとは2試合のみやからな」

「…そっか。そうだよね」


大河がこの場にいなくてよかったような…。

でも、やっぱり久しぶりに話してみたかったような…。


そんな複雑な気持ちだった。


「せっかくやし、家まで送ってくで」

「…いいの?じゃあ、お言葉に甘えて」