…なにそれ!?

大河だって、わたしと会うっていう先約があったじゃない…!


と、思わず口を突いて出てきそうになった。


〈先輩の頼みやから断われへんし…。ドタキャンで申し訳ないんやけど…、ほんまに…ごめんっ〉


電話越しの大河の口調から、本当に反省しているのだろうなというのが窺える。


3年生は、他にもたくさんいるはず。

だから、なぜ大河に任されたのかはわからない。


だけど、先輩の頼みだから断れないという大河の気持ちはわかる。


…だから、わたしがわがままを言ったら、大河を困らせることになる。

ここは、わたしが素直に身を引くしかなかった。


大河だって、本当はわたしと同じで残念に思っているに違いない。


そんなふうに考えたら、一瞬沸騰しかけた感情も徐々に落ち着いてきた。