「まあ、大河は先輩たちのそんな気持ちには、これっぽちも気づいてへんから大丈夫やって」


悠はそう言ってくれるけど、わたしの不安はさらに増すばかりだった。



だから、6月下旬のある日――。

ついに、抱えていた不安が爆発してしまったのだった。


今日は、練習がいつもより早く終わるとかで、そのあとに会う約束をしていた。

大河と会うのは、本当に久しぶりだ。


2週間前に、大河からこの日は空いていると教えてもらって、ずっと楽しみにしていた。


大河に会う前に、いつもはしないようなヘアアレンジに挑戦してみた。

少しでも、かわいいと思ってもらいたくて。


わたしの準備はバッチリ。

あとは、大河からの連絡を待つだけ。


待ち合わせのカフェで、わたしは何度もスマホを確認していた。


――すると。