「うまくいってないというか…。べつに、ケンカしてるわけでもないんだけどね」


だから、悠に愚痴ってしまった。


仕方のないことだけれど、大河が野球ばかりだということ。

それに、マネージャーの陰が気になるということ。


おそらく大河は、わたしよりもマネージャーと会話をしているほうが圧倒的に多いはずだ。


「マネージャーの先輩たちって、あんなに部員と距離が近かったり、ベタベタボディタッチするものなの?」

「…ああ〜、あれな。人によると思うで」

「どういうこと…?」

「オレは、あんまりされへん。けど、大河は違う」


てっきり、わたしの勘違いだと思っていた。

…いや、そうであってほしかった。


部員とマネージャーが親しくなることは、自然なことだし。


でも、悠の話を聞くには、やっぱりわたしの勘違いなんかじゃなかった。