そして、練習試合は7ー0で明光学園の圧勝だった。



試合が終わり、ベンチに腰掛けながら休憩する大河を見つけた。

だから、話しかけに行こうとしたら――。


「大河、お疲れ!」

「入学して初めての試合やったのに、すごいやん!」


何人かの女の子が、タオルやスポーツドリンクを持って、大河の周りに集っていた。


遠くからでもそれに圧倒されて、わたしは思わず足を止めた。


馴れ馴れしく大河にボディタッチをしているし、『大河』なんて名前で呼んでるし…。


あとになってわかったけど、その人たちは野球部のマネージャーだった。

しかも、2年生や3年生の先輩たち。


なんだか…すごく仲がよさそうに見えた。


わたしもマネージャーだったら、そこにいるのはわたしのはずなのに。


ついそんなことを考えてしまった。