大河と会う時間は減ってしまったけど、わたしはなんだかんだで新しい学校生活を満喫していた。



入学して、1ヶ月。

ゴールデンウィークに、初めて他校との練習試合が行われた。


普段、帰るときに野球部の練習風景を覗くだけだったから、ちゃんと見るのはこれが初めてだ。


大河は1年生ながらにして、2年生、3年生に混ざってレギュラー入り。


…しかし、そこに悠の姿はなかった。


しかもベンチ入りですらなく、悠はたくさんいる野球部といっしょに応援席にいた。


明光学園の野球部は、大河や悠と同じように、全国から選ばれた選手が集まっている。

野球部員は、100名を超えている。


その中からベンチ入り、はたまたレギュラーの座を獲得できるのは、選ばれたほんのひと握りだけなのだ。


悠は、気丈に振る舞って応援している。