「話を再開しようか」
あ、でももっと人目につかない場所がいいなあと、時隆は首を傾げた。
「穂波の部屋に、遊びに行かせてもらうのはどうだい?」
「わっ、私の部屋ですか!?」
うんっと無邪気に笑う時隆の顔を見て、穂波は冷や汗を浮かべた。いくら十代半ばぐらいの少年の姿をしていて、中身がかつての身内だとしても。部屋に椿以外の男を勝手にあげるなんて。恋愛経験の少ない穂波でも、問題のある行為だということはわかる。
「その、さすがに時隆様といえど」
「お、ちゃんと断れたね。偉い偉い」
「……時隆様、私を試して」
うんうんと、目を細めて時隆は楽しそうに笑っている。こ、この人、やっぱり意地悪だ……! と、穂波は奥歯をぐっと悔しい思いで噛み締めた。
「屋敷の外の、人目のないところなら良いだろう?」
「それなら……」
屋敷から遠くへ行かなければ、問題はないはずだ。帝都で何か起こるかもしれない今、無闇に外出するのは危険だ。だが、氷宮の敷地内ならばさすがに大丈夫だろう。屋敷の庭辺りで、人に話を聞かれない場所を探そうと穂波は考えた。
あ、でももっと人目につかない場所がいいなあと、時隆は首を傾げた。
「穂波の部屋に、遊びに行かせてもらうのはどうだい?」
「わっ、私の部屋ですか!?」
うんっと無邪気に笑う時隆の顔を見て、穂波は冷や汗を浮かべた。いくら十代半ばぐらいの少年の姿をしていて、中身がかつての身内だとしても。部屋に椿以外の男を勝手にあげるなんて。恋愛経験の少ない穂波でも、問題のある行為だということはわかる。
「その、さすがに時隆様といえど」
「お、ちゃんと断れたね。偉い偉い」
「……時隆様、私を試して」
うんうんと、目を細めて時隆は楽しそうに笑っている。こ、この人、やっぱり意地悪だ……! と、穂波は奥歯をぐっと悔しい思いで噛み締めた。
「屋敷の外の、人目のないところなら良いだろう?」
「それなら……」
屋敷から遠くへ行かなければ、問題はないはずだ。帝都で何か起こるかもしれない今、無闇に外出するのは危険だ。だが、氷宮の敷地内ならばさすがに大丈夫だろう。屋敷の庭辺りで、人に話を聞かれない場所を探そうと穂波は考えた。