最初の依頼から一夜明けた翌日には、椿は氷宮家の人間たちを何人か選抜し、依頼に対する緊急対策部を立ち上げた。鷹泉の人間たちも屋敷に招き、四片祭当日の警備体制について話し合っている様子を、穂波は横目で見ていた。
四片祭の当日まで今日を入れて残り二日と、時間がない。除籍処分者たちの素性や、盗まれた祭りの警備情報について徹底的に整理し、対策を考えるようだ。
(依頼には関わらなくても……せめてこの屋敷の中で、私に何かできることはないかしら)
白洲家と違い、家のことを何か手伝えないかと腰を上げると、屋敷の使用人たちが一斉に止めにかかってくる。前までだったら働かずに、穂波と千代に仕事を押し付けてくる侍女ばかりだった。
「穂波様、廊下でそわそわされてどうされました」
夕方、部屋にこもりっぱなしで何もできていない自分に嫌気がさし、穂波は廊下の窓際にもたれながら何かできないかと頭を悩ませていた。
「花森さん……いえ、椿さんが大変な時にお力になれず、落ち着かないというか。私がもっと強い念力を使えれば」
穂波の言葉に花森は、くすりと笑って首を横に振った。
四片祭の当日まで今日を入れて残り二日と、時間がない。除籍処分者たちの素性や、盗まれた祭りの警備情報について徹底的に整理し、対策を考えるようだ。
(依頼には関わらなくても……せめてこの屋敷の中で、私に何かできることはないかしら)
白洲家と違い、家のことを何か手伝えないかと腰を上げると、屋敷の使用人たちが一斉に止めにかかってくる。前までだったら働かずに、穂波と千代に仕事を押し付けてくる侍女ばかりだった。
「穂波様、廊下でそわそわされてどうされました」
夕方、部屋にこもりっぱなしで何もできていない自分に嫌気がさし、穂波は廊下の窓際にもたれながら何かできないかと頭を悩ませていた。
「花森さん……いえ、椿さんが大変な時にお力になれず、落ち着かないというか。私がもっと強い念力を使えれば」
穂波の言葉に花森は、くすりと笑って首を横に振った。