「椎菜さんではなく、鷹泉家の諜報部員としての、彼女からのご依頼です」
病室から出る別れ際。椎菜は、氷宮に依頼をしたいと声をかけてきた。依頼内容は、巻物を取り戻し、奴らの狙いを止めること。
人に見られない場所で読んでほしいと、彼女はその場で手紙を書き綴り、渡してくれたのだった。
「周囲に聞かれるのもまずい。皆も疲れてるだろうから、一度屋敷に帰ってから話そう」
まだ椎菜の手紙を穂波たちは読んでいない。あの巻物も、男たちの狙いについても……わからないことばかりだ。
屋敷に帰り、普段は来客対応に使う応接間に集まると、椿は椎菜からの手紙の封を開けた。
「……」
黙々と手紙を読み進める椿の背後で、涼葉は何が書いてあるのかと落ち着かない様子だ。
「四片祭当日の警察の警備体制について、あの巻物には記されていたらしい」
「四片祭?」
病室から出る別れ際。椎菜は、氷宮に依頼をしたいと声をかけてきた。依頼内容は、巻物を取り戻し、奴らの狙いを止めること。
人に見られない場所で読んでほしいと、彼女はその場で手紙を書き綴り、渡してくれたのだった。
「周囲に聞かれるのもまずい。皆も疲れてるだろうから、一度屋敷に帰ってから話そう」
まだ椎菜の手紙を穂波たちは読んでいない。あの巻物も、男たちの狙いについても……わからないことばかりだ。
屋敷に帰り、普段は来客対応に使う応接間に集まると、椿は椎菜からの手紙の封を開けた。
「……」
黙々と手紙を読み進める椿の背後で、涼葉は何が書いてあるのかと落ち着かない様子だ。
「四片祭当日の警察の警備体制について、あの巻物には記されていたらしい」
「四片祭?」