「そうか……穂波さん、大丈夫だったか? 氷宮に来て早々、俺たちの仕事に巻き込んでしまったが」
椿は穂波に駆け寄ると、心配そうに見つめた。いつもの人に冷たい印象を与える目が、穂波を前にすると優しげに下がる。
「大丈夫です。氷宮のお仕事ができて良かったです。念力を使って、人を助けられる……とても素敵なお仕事ですね」
椿さんたちのことを、私の家族になる人たちのことをまた知ることができたと笑う穂波を、椿は愛おしそうに見つめた。
「椿様。穂波様を愛でたいお気持ちはわかりますが、さっそく次のお仕事が」
「なんだ」
花森の方を振り返る椿の表情は、すぐに普段のきりっとした、冷徹と評される表情に戻っていた。その切り替わりの早さに、涼葉は呆れたように頭の後ろで手を組んだ。
「椎菜さんから預かった手紙だよ」
「手紙?」
涼葉に差し出された手紙を椿は受け取った。
「あの男たちに狙われてた巻物についてだってさ」
「穂波さんが思念で視たと言っていた巻物か。結局、あいつらから取り返すことはできなかったが」
椿は穂波に駆け寄ると、心配そうに見つめた。いつもの人に冷たい印象を与える目が、穂波を前にすると優しげに下がる。
「大丈夫です。氷宮のお仕事ができて良かったです。念力を使って、人を助けられる……とても素敵なお仕事ですね」
椿さんたちのことを、私の家族になる人たちのことをまた知ることができたと笑う穂波を、椿は愛おしそうに見つめた。
「椿様。穂波様を愛でたいお気持ちはわかりますが、さっそく次のお仕事が」
「なんだ」
花森の方を振り返る椿の表情は、すぐに普段のきりっとした、冷徹と評される表情に戻っていた。その切り替わりの早さに、涼葉は呆れたように頭の後ろで手を組んだ。
「椎菜さんから預かった手紙だよ」
「手紙?」
涼葉に差し出された手紙を椿は受け取った。
「あの男たちに狙われてた巻物についてだってさ」
「穂波さんが思念で視たと言っていた巻物か。結局、あいつらから取り返すことはできなかったが」