「ありがとう、穂波さん、涼葉さん。ここからは自分たちの……僕たち夫婦の問題なので大丈夫です」
依頼人はそう言うと、椎菜のかんざしを握る手の上に、自分の手を重ねた。
「でも穂波さんのおかげで、本当の意味で〝椎菜〟にまた会うことができました。ありがとう。あなたたちに頼んで、良かった」
力強く頷くと、出会った時からずっと不安そうな様子だった依頼人は、今日初めての、曇りない笑顔を見せたのだった。
「あの二人、幸せになれると良いね」
「ええ。大変お似合いなご夫婦でしたから」
依頼人と椎菜を残し、穂波たちは病室を後にすることにした。依頼結果をまとめたり、報酬金のやり取りをする係は別に居るらしく、その担当が今後は依頼人とやりとりすることになる。
「遅くなってすまない。三人とも大丈夫だったか?」
「椿さん」
病院から出ると、ちょうど椿が三人の元に向かって歩いて来た。
「大丈夫でした。穂波様は初めての依頼だというのに大変頑張られ、活躍されましたよ」
依頼人はそう言うと、椎菜のかんざしを握る手の上に、自分の手を重ねた。
「でも穂波さんのおかげで、本当の意味で〝椎菜〟にまた会うことができました。ありがとう。あなたたちに頼んで、良かった」
力強く頷くと、出会った時からずっと不安そうな様子だった依頼人は、今日初めての、曇りない笑顔を見せたのだった。
「あの二人、幸せになれると良いね」
「ええ。大変お似合いなご夫婦でしたから」
依頼人と椎菜を残し、穂波たちは病室を後にすることにした。依頼結果をまとめたり、報酬金のやり取りをする係は別に居るらしく、その担当が今後は依頼人とやりとりすることになる。
「遅くなってすまない。三人とも大丈夫だったか?」
「椿さん」
病院から出ると、ちょうど椿が三人の元に向かって歩いて来た。
「大丈夫でした。穂波様は初めての依頼だというのに大変頑張られ、活躍されましたよ」