「いや、本当に感謝してるよ。おかげで、今は楽しいから…ありがとうね」
相変わらず眩しい笑顔で陸人さんが言う。
その陸人さんの少し後ろで、詩織さんも笑っている。
心臓…痛い。
駄目、泣いちゃ駄目。

「いえっ! お互い、大切にしてあげてくださいよっ!」

震え出しそうな声を振り絞って、言い捨てるように声を放つ。
顔、ちゃんと笑えてるよね??
声、ちゃんと出てるよね??

「了解! じゃ、俺等もう行くね! 舞香ちゃん、楽しんでね!」
「ばいばいっ」

あたしの心配をよそに、二人は楽しそうにその場を去って行った。

「舞香…??」
隣でレミの声がする。
「ごめ…っ…あたし…やっぱり……辛い」
やっぱり、まだ耐えられなかったよ。
馬鹿だなあたし。
背中を押したのは自分じゃん。

「あたし…ちょっと一人になってくる」
「うん…」
あたしはアイコ達と離れて、学校の屋上に上がった。