ガチャ

「ほら、ゆっくりしててよ? 夜更かししちゃ怒るからね」
優人さんが、あたしの部屋まで連れてきてくれた。
「分かってますよっ、でも、階段くらい一人で上れますっ」
拗ねたようにあたしが言う。

「だって、舞香ちゃん、危なっかしいんだもん♪ 見てらんないんだもん」
笑顔で優人さんが言う。

「も、もう! 何ですかそれっ!?」
あたしが言うと、優人さんは手をなだめるように動かしながら、「まぁまぁ」と言った。

「舞香ちゃんは、いろいろ考えなくていーの♪ 自分が楽しいことしてればいいんだからねっ」

目を細めて優しく笑う優人さん。

自分が…楽しいこと…??

「じゃ、俺行くね」
「あ、はいっ」
「おやすみっ♪」
「あ、ゆ…優人さんっ!」
「ん?」

「ありがとう」

「…うん!」