「なんで謝んだよ?」
「や、だって隼人が、怒ってるみたいだったから…」
「はぁ? 俺が?」
隼人は自分を指差して不思議そうな顔をする。
「本当だよっ! 怖い顔してたもん!」
「…怒ってねーよ…!」
今度こそ怒ったような顔をして言う隼人。
「大体なぁ、俺はもともとこんな顔なんだよっ!」
「あぁ、分かってますよーっだ!」
ムキになって言い返すあたし。
「うっせぇ! …まぁとにかく、お前は前見て歩け! じゃあな!」
あたしを指差して、叫ぶようにそう言い残して勢いよく隼人はあたしの部屋を出て行った。
「…何が言いたいのよ…」
あたしは静かになった部屋の中で一人、ポツリと呟いた。
