あんな鈍感純粋っ子にカマをかけるのは少しだけ気が引けるけど、今に始まったことじゃないから別に良いか。

 俺は一人でそんなあくどい事を考え付き、栞と元宮神菜のことについて考えていた。



 放課後になり、生徒会へと足を進める。

 今日は早く終わったから、もしかしたらまだ誰も来てないかもなぁ……。

 夕弥は今日は用事があるって言って学校に来てないし、世妖も少ししてから生徒会室に来る。

 だから大体一番乗りは、いつも俺だったりする。

 生徒会室は北棟に合って、教室からはあんまり遠いわけじゃない。

 その時に、目の前に興味深い奴の姿を捉えた。

「神々、少し僕と話してよ。」

「……お前と話すことなんてない。」

 だけど神々は俺の言葉にそんな冷たい返しをして、さっさと歩いていこうとする。

 やっぱり栞以外は眼中にないってことか……。

 だったら神々にも、仕掛けてあげればいいんだ。

「僕ね、栞のこと気になっちゃってるんだ。」

「……何?」

 おぉ、結構簡単に食いついた。