だけどそれは、皐月君に阻止されてしまった。

「ダメですよっ!もう少しだけ休んでくださいっ!」

「で、でも大丈夫……」

「僕が大丈夫じゃないんですっ!」

 ……っ!

 大きな声で言われてしまい、びくっと肩を大きく震わせてしまう。

 その直後、皐月君は申し訳なさそうに頭を勢い良く下げた。

「ご、ごめんなさいっ!大きな声出して、驚かせてしまって……。」

 これでもかってくらい小さな声色で聞こえてきた言葉に、きゅうっと心臓が締め付けられる感覚に陥る。

 ここまで皐月君は心配してくれてるのに、私が大丈夫だって言ったから……。

 確かにこの前も魔力風邪で休んでしまったから、自分で判断するのは良くないのかもしれない。

「ううん。皐月君が心配してくれたのは分かってるから、謝らないで。」

 ね?と言って皐月君の頭を下げさせ、私は軽く微笑んでこう言った。

「皐月君の言う通りにここでもう少し休むね。」

 正直言うと、まだ完全復活したわけじゃない。

 それに傍から見たら顔色が相当悪いのかと思われそうだから、大人しくもう少しだけ休む事にした。