「栞、保健室行く?」

「う、うん。そうするね……。」

 明李君が心配そうに尋ねてきてくれたから、私はこくりと小さく頷いた。

 そこで三人と別れて、保健室へと向かう。

 明李君は「ついていく!」と言ってくれたけど、そこまでしんどいわけでもないから大丈夫。

 それにこんな事で、みんなの手を煩わせたくないし……。

 ぼんやりとあまり働いていない頭で考え、保健室までの道のりをゆっくり歩く。

 はぁ……こんなにだるいなんて、魔力風邪がぶり返したのかな……。

 一瞬だけそう思ったけど、きっとそれはないと思う。

 魔力風邪になってしまうのは魔力をたくさん使って、体内の魔力が不足した時。

 でも最近は魔力を全くと言っていいほど使っていないから、再発するのは変だ。

 それにこの症状、魔力風邪が原因じゃないはず。

 魔力風邪のほうがもっと症状は重たいから、また別の原因があるってことだ。

 その原因は、全然分からないけど……。

「え?先輩?」

「皐月君……?」

 考え事に耽っていたその時、目の前から焦ったように私のほうに来る皐月君の姿が映った。