ちらほらとそんな声が聞こえてきて、肩身が狭くなってしまう。

 や、やっぱりひそひそされるのは慣れないっ……。

 しゅんと肩をすくめながらも、やっと私の頭上で行われているある事に気付いた。

「君は確か……観心君だっけ?生徒会の話があるから、栞を離してくれないかな?」

「いや、絶対に離さない!生徒会は信用できない!」

 ば、バチバチしてるっ……?

 上を見てみると、夕弥さんと明李君が何やら言い合っている。

 何の話をしているのかは全く見えないけど、生徒会のお話だったら行かなきゃならない。

「明李君、少しだけだから夕弥さんたちとお話してきてもいい?」

「……うー、そんな顔しないでよ。許しちゃうじゃん。」

 ダメ元で明李君にお願いしてみると、案外あっさりと離してくれた。

 よく分からない事言ってたけど、離してもらえたから良いかな?

「じゃあ生徒会室まで行こうか。」

 天さんが私のほうに視線を移して、いつもの微笑みを浮かべながら教室を出た。

 夕弥さんもその後についていったから、私も行こうと踵を返す。