口には出さないけど、そう思ってしまった。

「そんな事言ったって、お前が可愛いのは変わらないな。」

「かっ、かわっ……!?」

「あぁ、誰よりも可愛すぎる。」

 でも新さんのほうが一枚上手らしく、あっけなくこっちが真っ赤になってしまった。



 あの後は真っ赤になった顔を冷まさせるのに必死で、どう来たかなんて覚えてない。

 だけど無事に来る事ができているから、良かったのかな……?

 新さんと階段のところで別れて、大きな息を吐きながら教室に向かう。

 はぁ……朝から心臓に悪い事言われると、意識しちゃうなぁ……。

 前まであんな風に言ってこなかったから、もしかしたら告白して……って事なのかもしれない。

 でも真理は新さんしか知らないから、私は何とも言えない。

 教室の前に来て、いつも通り扉をガラッと開けて三人のところに行く。

「おはようっ。」

 そう声をかければ、いつもみたいに三人は同じものを返してくれる。

 そんな当たり前の事でも私は嬉しくなって、自分の席に座ってスクールバッグから教材を出しておく。