「……その無自覚はいつになったら治るんだよ……。」

　呟くような小さな声だったけど、私にはちゃんと聞こえた。

　む、無自覚じゃないのに……。

　そう思ってむっとするけど、可愛いと言われて嬉しくないはずがない。

　だけど、私ばっかり言われるのもなんだか癪……。

　私はそんな事を考えて、新さんに言うことにした。

「新さんだって……かっこいいですよっ。」

　私のことをいつも守ってくれて、優しくしてくれる新さん。

　かっこいいのはいつも思ってる事だし、この言葉に嘘偽りはない。

　でもその瞬間に何故か新さんは一瞬、黙り込んでしまった。

　ど、どうしたんだろう……？

　まさか私、何かまずい事言っちゃったんじゃ……。

　そんな可能性を見出して、急に不安になってくる。

　だけど、その不安は杞憂だったみたい。

「好きな女にそう言われると、その気になるんだけど。」

　……っ！

　新さんのその言葉で、私の顔は一気に熱を持った。

　そ、そうだった……。新さんは私のこと好きだって……。