「やばい、もうこんな時間!?」慌てて家から学校に向かう。今日は新しく学校に来る先生を歓迎するセレモニーがある。
生徒会の私は早めに学校に着いてないといけない。

生徒会室に着くと他の生徒会の子は席に座っていた。私も切らした息を戻しながら着席した。
「ちょっと美月!遅いよ!」生徒会長に怒られてしまった。私は言い訳をしないで「すみません。」と素直に謝った。
本気で走ったからだろうか、息が全く戻らない。
そんななか1人の先輩が口を開いた。「そういえば、新しく来る数学の先生イケメンらしいよ。」私以外の女子生徒はその話に食らいついた。
私はというと、超がつくほど興味無かった。

しばらく経つと歓迎セレモニーが始まった。
体育館はザワついてた。「イケメンらしいよ」そんな会話が多く聞こえた。

「静かにしてください。これから歓迎セレモニーを始めます。」司会者が口を開くと体育館は静まり返った。
「新しく来た先生たちが入場されます。拍手でお迎えください。」
拍手をしていると、体育館のドアから3人の先生が演台に立った。
私は背筋をぴんと伸ばし、前髪をかきあげながら歩いてる1人の先生に目がいった。
この時私は一目惚れをしたんだと思う。

先生の話が始まった。「皆さんこんにちは、佐藤と言います。新任で分からないことだらけですが仲良くしてください!」笑顔でそう言った先生は物凄く輝いてみえた。
惹かれたんだ。

歓迎セレモニーが終わると体育館では「想像と違かった」「全然イケメンじゃない」という声が多数聞こえた。
(勝手に期待してたんじゃん)と私は思ったがそんなの耳に入らないぐらいに佐藤先生を見てしまっていた。

佐藤先生は隣のクラスの先生、教科担任を受け持っていただくことになった。そして生徒会担当の先生にもなった。
接点が出来る事に私は嬉しくて飛び跳ねそうだった。

でも先生と生徒だ。恋愛に発展するなんて絶対に有り得ない。私は依存しない程度に好きでいようと思った。

これが2人の出逢いだ。