「え!遥奈先輩と街で会ったの?何それ〜羨ましすぎる!でも季里、すごい偶然だったね」


「うん。私もビックリしたよ」


翌日、月曜日の昼休み。


今日は珍しく天文部の部室で過ごしている。

私はお弁当を食べながら、昨日の出来事について真凛ちゃんに話していた。

遥奈先輩と偶然街で会ったこと。

流れで一緒に遊ぶことになったこと。

もちろん充希くんの女装の件は伏せ、ミズキちゃんという知り合いの女の子も一緒だったいう設定に変えてはいるのだが…。


「いいな〜」と、羨ましそうな表情を浮かべつつ、楽しそうに私の話を聞いてくれる真凛ちゃん。

しかし、そんな彼女とは対象的に私は緊張を隠せなかった。

そう。実は今日、真凛ちゃんに颯真くんの話をしようと思っていたのだ。

久瀬先輩が颯真くん本人だったこと、颯真くんと遥奈先輩のこと…。

本当にここ数日で明らかになった事実。

…真凛ちゃんには話しておきたいもん。