「み…」

思わず、充希くんの名前を出そうとした私の腕をギュッと握り牽制する充希くん。

そうだ…今は女の子の格好だったんだ。

危なく勝手に先輩にバラしてしまうところだった…。

「え!季里ちゃんの友達??可愛い〜、年下かな?なんて名前??」

女装をした充希くんに遥奈先輩は、どうやら気づいていないようで。

興味津々で充希くんに尋ねている。

「はじめまして。ミズキです」

そして、何食わぬ顔で嘘を言う充希くんは本当に肝がすわっている…と思う。

「ミズキちゃんか〜。可愛い名前だね。私は峰岸遥奈です。季里ちゃんの高校の先輩なの、よろしくね」

「はい。こちらこそ、よろしくお願いしまーす」

ニコッと可愛らしく微笑む充希くん…いやミズキちゃんは楽しそうに遥奈先輩を見つめている。

そんな充希くんの様子に私は嫌な予感を感じていた。