ガクッと肩を落とし、素直に自分の部屋に戻った私はクローゼットの中を確認してみる。

あんな可愛い充希くんと一緒に出かけられる服なんて持ってないよなぁ。

迷いつつ、一番持っている中でマシな綺麗目のマキシ丈のワンピースと白のカーディガンを羽織ってみる。

一応、充希くん黒コーデだし、私は白にしようかな。

姿見でくるりと確認をし、変なところがないかチェックした。

…よし。こんなもんか。

そして、私は近くに置いてあったカバンを手に取り、1階に降りていく。

「いい匂い…」

コーヒーの匂いと、パンの香りが鼻をくすぐった。

すでにそこには美味しそうな朝食が用意されていて、自然と頬が緩む。

「まぁ…さっきよりはマシになったね。ほら、そこに座って食べなよ。僕は先に食べてたから」

チラッと、私の格好横目で見て充希くんがカウンターに座るよう促した。

よかった…とりあえず、合格はもらえたみたい。

ホッと胸をなでおろし、私はカウンターに座り置いてあったコーヒーに手をのばす。