そしてきっかり1時間後。

充希くんは戻ってきた…、なぜかバッチリ女装した姿で。

今日の充希くんは黒を基調にした膝丈のスカートに大きな襟の白のブラウス。胸元には赤いリボンをつけており、その上に黒のダボッとしたパーカーを着ている。

髪の毛は、サラッとした肩まである黒髪ストレートのカツラを装着しており、どこからどう見ても女の子だ。

「あんた、その格好なに?僕、ちゃんと着替えろって言ったよね?ご飯食べたら出かけるんだからね。そんなダサい格好で行くつもり?」

た、たしかに着替えろって言われたけど。

出かけるなんて聞いてなかったし。

部屋着のスエットにジーパンというラフな格好の私の姿を見た充希くんは呆れたように大きなため息をこぼした。

うっ…。

女装姿の充希くんに言われるといつも以上にダメージが大きい。

だって、久しぶりに見た充希くんの女装姿は相変わらず美少女。

「ハァ…。僕が朝ごはんの準備するからその間に着替え直して」

「は、はい…」