「充希くん…!手冷たいよ!?いつからここに…」

手の冷たさもさることながらよくよく見ると、充希くんの服が昨日と同じような気がする。

もしかして私が部屋に戻ってからずっとここに??

あわあわと慌てる私を見つめて、充希くんは小さく微笑んだ。

そして。

「また、迷惑かけたとか考えてるでしょ?今、季里はそんなこと気にしなくていい。それよりまずは顔洗って、ご飯食べよ?あ…母さんは今日用事があって出かけるから店は休みね」


そう優しく言葉をつむぎ、私の頬をスッと撫でる彼の行動に戸惑いを隠せない。


な、なんか充希くんいつもと雰囲気が違うような…。


「よし。じゃぁとりあえず、僕も1回家に戻るから1時間後にここで集合ね。そしたら一緒に朝ごはんするよ、母さんが昨日の残り準備してくれてるからさ。わかった?」


諭すように言葉を発する充希くんに、私はコクコクと首を縦に振った。