カーテン越しに明かりが見えるからきっと和音さんが夕ご飯を作って待ってくれているんだろう。
「結局、家の前まで送ってもらっちゃった。ありがとう…!心音ちゃんにもよろしく伝えてね」
なるべく明るい口調で私は声をかけた。
「いや、俺もいつかは季里と話さないといけないと思ってたし…それに心音とも仲良くしてくれてありがとな」
「…ううん。私も正直に話してくれて嬉しかったよ、ずっと颯真くんが元気にしてるのか気がかりだったから」
「……なにも言わずにいなくなって本当にごめん」
謝る颯真くんに対し、私は「ううん、もういいの」そう言ってフルフルと首を横に振る。
「ねぇ、颯真くん。私たち今後は…普通に仲良くできないかな…?」
昔と同じようにとは言わない。けど、せめて先輩後輩として仲良くできれば…私は満足だ。
「…俺みたいなヤツでも季里がそう思ってくれるなら」
私の提案に颯真くんはそう言って柔らかく微笑む。