この状況って、いったいなんなんだろうな。
俺、霧谷理央がそう思うのも無理はない。
俺の横を歩いているは、高校が同じ友人の久瀬颯真。
ここまではいい。
そして、颯真の横…いや、正確には俺たちの少し後ろを歩いているのは、今日初対面の充希くんという中学生。
天文部の後輩、季里ちゃんが下宿する大家さんの息子とのことだが…。
なぜか、俺達についてきたわりには、ひと言も話そうとしない彼をどう扱って良いのか正直、はかりかねていた。
俺って言うよりは…おそらく颯真の方に用があるんだろうけど。
てか、もしかして邪魔なの俺だったり…?
先ほど、歓迎会を開いたカフェのキッチンで颯真と遭遇した時の彼の表情を思い出し、俺は気づかれないように小さく肩を落とす。