「...えっ.........?」

「......」



「美耶以外、話しかけて来ないんだよ。

 自分が何をしているのかもわからない。

 どこにいるのかもあやふや。

 気がついたら美耶と一緒にいる、ただそれだけ。

 記憶も定かではない。

 誰でもこんな状況になったら変だな、って思うだろ?

 俺がそうであるように」




「黒川...」



私の頭ではあまり理解ができなかったが、黒川も黒川なりに苦しかったことだけは理解できた。



「久瀬さんから黒川の生前の話聞いたの。

 それでわかったこと。

 黒川がずっと捜してる猫の名前はミヤ。

 で、黒川を見ることのできる私、榊原美耶。


 ここからは推測だけど...

 黒川とミヤはもういない。

 けど、黒川の魂、的なものは今ここにある。

 ミヤの生まれ変わりが

 私、榊原美耶、かもね。

 そうしないと、辻褄が合わないじゃない?

 なんで関係ない人には見えないのに、私には見えるのか。

 だから、







 だから、もう捜さなくていーよ」


「美耶...」


ギュッと黒川が抱きついてきた。


「んえっ、ちょっと、ええっ、あ、あのく、くろかわ...?」


「そっかぁー、美耶はミヤだったのか...」



キラキラと黒川の身体が輝き出した。


え、これってよくある、成仏するときの...?


てか、展開早すぎないっ?!