「え、覚えてんの...?」 考えることよりも先に言葉が出てしまった。 「...なんか...老けましたね、久瀬さん」 「黒川くんが老けてないだけだよ...」 「......黒川っ、あの、ね、話さないといけないことが...」 躊躇(ためら)った。 言ってもいいのか。 少しの間沈黙が流れた。 「......薄々気づいてたよ。 俺はもうこの世に存在してないことを、ね」