「いいの?嫌じゃない?さっきは頭に血が上って、勝手に呼び捨てにしちゃったけど…」 「晴人さんになら、なんて呼ばれても嫌じゃないですっ」 迷いもなくそう言い切ると、晴人さんは安心した様子。 「そう?ならそうさせてもらおうかな、…依里」 晴人さんは私の耳に囁くように名前を呼ぶ。 晴人さんが持つ低音ボイスで直接囁かれると腰が砕けそうになる。 (いい声をそんな近くで…っ) 「わざとですよねっ…」