「可哀そうだって言ったんですよ」

晴人さんが私の方を向く。

「あんな奴のつまらないデートもどきに付き合わされて、可哀想だったね。

しかも、デートの失敗を依里のせいにするなんて」

まさるはいないかのように、完全に無視しながら頬を撫でられる。

「デートの失敗は完璧にエスコートできなかった男の責任だよ。

それを女性のせいにするなんて、男として失格だ」

「な、なんだとっ」