「ねぇ、俺には依里しかいないんだよ。 依里しかいらない。ねぇ、依里だってそうでしょう?」 「それは…っ」 「俺が御曹司なんて関係ない。 依里がそれで身を引くなら、俺はそんな地位捨てる。 依里がいないなら、生きている意味すらない」 嘘を言っているようには見えない。 ただひたすら、まっすぐに見つめてくる。