「っ、聞きたくないっ。そんなウソッ」

「嘘じゃないっ、どうして嘘だって決めつけるの?」

「私は、相応しくないから。

晴人さんの隣には立てない。

いつか捨てられるなら、最初からいない方がよかった。

あなたの温もりなんて、知りたくなかった。

恋がこんなにも苦しいものなんだって、知りたくなんかなかった」

胸を締め付ける痛みも、恋した人が隣にいてくれる幸せも。

知らない方が、幸せだったのに。