『うん』

『あっ、多分あそこだ』

シェリルが指さしたのは、五つ星ホテルだった。

『あそこ?本物のお金持ちなんだね…』

『みたいだねぇ。…う~ん、師匠はどこかな』

キョロキョロと視線を彷徨わせていると、コンシェルジュが近づいて来る。

『お客様、いらっしゃいませ。どなたかとお待ち合わせでしょうか?』

『えぇっと、画家のティムって人と待ち合わせで…』