と、思っていたのだが…。

通話中の晴人さんが、少し目元を赤らめながら私を見つめる。

「はい、その件は…」

通話相手と話しながら、椅子から立ち上がって近づいてくる。

椅子に座っている私の顎を持ち上げ、晴人さんの顔が近づいて来る。

最初は軽いキス、そのあと唇をペロリと舐められ、晴人さんの熱いため息が顔を撫でる。

「…えぇ、それでは。失礼します」

通話を切った晴人さんは、熱っぽい瞳で私を見下ろす。