類は友を呼ぶとはこういうことなのだろうか。思わずめんどくささに眉を顰めれば先輩と同じような高い声で笑うから、もっと呆れた。
階段を下りながら、どんな顔をすればいいんだよ、笑い飛ばしていいのか?それとも、慰めるべきなのか、頭の中でぐるぐると考えていた。
無理矢理笑うくらいなら、あの一番奥のベッドの毛布に潜って、浦野にばれないようにひっそり泣いていて欲しい。
そっちの方が俺も揶揄いやすいだろ、傷ついてる人の慰め方なんて15年生きても誰にも教えてもらえなかったんだ。
先に噂回された浦野はどんな気持ちだよ、本来なら今日の学校が終わった完全プライベートで伝えるつもりだったくせに。
でもそれもこれも全部浦野が後回しにしたせいだ。気持ちに気づいてるなら、一番に伝えてあげるべきだったんだ、あの阿保教師。
なんで俺がこんな考えて心配しなきゃいけないんだ。
なんで結局こんなにも振り回されているんだ、大人しくあの数少ないお友達のハナシなんて聞かないで昼休みを充実させればいいのに。
昼休みだし、はやくいかなきゃ購買のパンはなくなるし食堂だってしまる。それなのに俺の足はとっくに保健室のほうを向いてる、バカヤロウ。
「―――失礼します、」
ノックはしないけど挨拶だけはする。
不在表はかかってなかったからもちろん扉を開ければ浦野がこっちを向いた。
「昼休みに来るなんて珍しいな、もう食べたのか?」
「腹ペコなんで先生の愛妻弁当分けてもらっていいすか」
「残念ながらもう胃の中だな」
「早弁かよ」