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私の使命は、片想いの人間の恋を叶え結びつけること。

万が一使命を果たせない時は、私は消滅してしまう。

だから目的の為だったら、どんな手でも使うわ。

そして、その方法は色々あるけど私の魔法にかかれば結ばれない人間はいない。

また、私の魔法は絶対だけど一応決まりもあるの。

少しだけど紹介するわ。

☆魔法にかかった人間は魔法が解けるまで魔法をかけた人間を愛し続ける。

☆魔法を解く方法は、魔法にかかった人間に全てを打ち明ける。

☆魔法を解いた後、魔法にかかっていた人間は、かけた人間の記憶、思い出は全て消去される。

☆魔法を解いてしまった場合、2度と2人は結ばれない。

☆魔法の効果を維持するためには、ある一定の条件を必要とする。

また、魔法が打ち破られることが、ごく稀にあるから注意しなければならない。

それは、魔法にかかった人間が運命で結ばれた人間に出逢ってしまった場合。

もう1つは、魔法を超えるほどの一途な想いを魔法にかかった人間が受け続けてしまった場合。

そして私は今新たな男女2人を結ばせる使命に向かっている。

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...僕の名前は菊池比呂。

今年の春、K大学に入学した。

大学は実家から電車で1時間30分程度の距離だったので実家から通う事になった。

本当はアパートを借りて独り暮らしをしたいと両親には希望はしていたが、実家での私生活のだらしなさが災いして却下された。

また、数ヵ月前まで通っていたW高校からK大学に入学したのは僕を含め3人いた。

1人目は中学時代からの親友で名前は相原直哉。

中学1年の時同じクラス、同じサッカー部に入ったのがキッカケで仲良くなり、中学・高校時代のほとんどを一緒につるんで行くこととなった。

見た目は韓流スターのような甘いマスクにサラサラの髪、186cmという長身は女子から絶大な人気ではアイドル並みの存在感を放っていた。

顔も頭も良いうえに、男女の区別なく親切で面倒見が良かったので、女子だけではなく、男子からも人気があった。

勿論、そんな直哉を女子がほっとく訳はなく、スキあらば自分の物にしようと、ラブレターや告白などで猛アプローチをかけていた。

でも直哉は誰からの誘いにものらず、断り続けていた。

詳しくは知らないが直哉には心に決めた女性がいたようだった。

でも、それ以上のことを僕は知らない。