「……あ」




「な、なに…?」




そういえば、というような感じで口を開いて、一度起き上がった。




今度は何言われるんだろう…。




「まだ、きみの名前聞いてなかった。…同級生…に見えるけど」




不安に思っていたけど、案外普通のことだったな。




たしかに、まだ自己紹介してなかったかも。




「えっと…ご察しの通り、同じ2年生の音海心優、です。クラスはC組」




私も向き合って、なるべく目を逸らしたまま言うと、「ふーん…」と興味なさそうに相槌を打つ。