廿楽くん、なんでそんな…ここまでするの?



なぜ私は廿楽くんに抱きしめられているのか、全く理解できない。



でも、ひとつわかるのは…廿楽くんがいつもと違うこと。



「絵なんていくらでも見せる、から…俺のこと、嫌いにならないで」



「っ…つ、づらくん……?」



廿楽くんの「俺」という一人称が、胸にグサリと刺さる。



急に変わった一人称に驚きつつも、いつもより“男の人”という感じがしてよりドキドキしてしまう。



「…お、怒ってないよ、私」



「ほんと……?」



さすがに申し訳なくなってきて、種明かしをした。