廿楽くんのことしか考えられなくて。



…甘くて、とろけそう。



｢んっ…も、だめ…息、できな…っ…｣



息が出来なくて廿楽くんの胸板をトントン叩くと、ようやく離された。



頭がぼーっとして、クラクラする。



｢…かーわい｣



｢っ…｣



廿楽くんの｢可愛い｣は、いつになったら慣れることができるのかな。



いちいち赤くなっちゃう私を、廿楽くんは愛おしそうに見つめてくる。



｢…心優のその顔、たまんない。そーゆー顔見てると、意地悪したくなる｣



かと思ったら、意地悪い笑みを浮かべて。



もう、わけわかんない。



｢…廿楽くん、さっきのはなんだったの…？｣



でも…さすがに、これは気になる。



｢…知りたい？｣



｢うん｣



｢…いつか教えてあげる｣



｢う…って、え？｣



頷きかけた私は、目が点になった。