「…そんな先輩に心優まで取られちゃうって思ったら、なんかもう…ほんとに病みそうだったよね」



「や、病み…」



…って、え?



今、廿楽くんなんて…。



「他の何を取られたって…奪われたっていいから。心優だけは僕のそばにいて欲しい。僕だけを見て、笑っていて欲しいって…そんな我儘みたいなドロドロした感情で、いっぱいだった」



「っ…!」



なに、それ…。



廿楽くんの独占欲。



垣間見えた…なんてものじゃない。



「先輩に心優を取られるくらいなら、僕が心優の一番になりたい。色んな重たいものを抱えた僕が、心優を幸せにできる自信がなくてずっと言えなかったけど…」



私を真っ直ぐ見つめる瞳の奥が。



「心優が、この世の誰よりも愛しいよ。誰にも渡したくないし、離さない。絶対幸せにしてみせるから…。僕と付き合って欲しい」



私が好きだって、叫んでる。