でも…いったい何と何を比べているのかがわからないな。
と思っていると、またもや衝撃の事実が飛び出した。
「あの人、ああ見えて明楽グループの御曹司だよ。テーマパークとかの業界で結構有名な企業なんじゃない?」
「お、御曹司…?!」
待って待って…?情報過多すぎるんだけど?
色んな情報が一気に入りすぎて、脳内処理が追いつかない。
「中学の頃に先輩がよく家族の話をしててさ。あー家族仲良いんだな、とか、悩みなんてなさそうな人だなとか。そういうことばっかり思ってた。僕が持ってないものを持ってる先輩が、羨ましかったんだと思う」
廿楽くん……。
初めて聞いた廿楽くんの本音。
それは、思ったよりも人間らしくて。
感情を表に出さない廿楽くんが、私に色んなことを話してくれることがとても嬉しい。