昨日、廿楽くんが言ったあの言葉。



今思い出すだけでも辛くなる。



「あれは…先輩と自分を比較して、勝手に落ち込んでただけなんだ。ほんと、カッコ悪すぎ」



「明楽先輩と比較…?」



急に出てきた明楽先輩の名前に首を傾げた。



「あの人は僕の不眠症もその理由も、ここでよく寝てるってことも全部知ってるからね」



「え…えぇっ!?」



いつも喧嘩ばっかりしている廿楽くんと明楽先輩。



…廿楽くんが突っかかってるって言った方がいいのかな。



そんな2人だけど、やっぱり仲がいいんじゃないかと思う。




「誤解しないでよ?たまたま先輩と話してたら口滑らしちゃったの。僕にとって一生の不覚だから」



そんな眉根を寄せて言わなくても…。



…でも、今の話を聞いていてやっとわかったような気がする。



廿楽くんが明楽先輩にあんな態度をとるのは、自分と先輩を比較しちゃってたから。