渡された一枚の紙には、簡単な地図が書いてあって。
「そこ、廿楽くんの第二の寝床ね」
「あ…ありがとうございま──」
そう言った明楽先輩は、私の返事を待たずに屋上へと行ってしまった。
………よし、行こう。
私は身を翻して階段を下り、下駄箱に向かった。
───キーンコーンカーンコーン
その時ちょうど集会が終わったことを知らせるチャイムが鳴って、誰にも見られないようにさらに急ぐ。
後で先生に謝らなきゃ…!!
「あーあ…俺、廿楽くんのこと好きすぎでしょ」
未だに罪悪感を抱いていた私とは別に、屋上で明楽先輩がそんなことをボヤいていたのは知る由もない。