そんなこと聞いちゃったら、確かめるしかなくなるじゃないですか。
…っていうか、今それ聞く必要あったの?
私はただ、学校を休んだ廿楽くんのことが気になっていただけなのに…。
成り行きでこんなことになってしまって、感情がぐちゃぐちゃだ。
「…本当に聞いてよかったんですかね…」
思わずため息が出そうになったのを堪た私は、膝を抱えて丸くなる。
幸せが逃げていくのは嫌だもんね。
「あるある。これで廿楽くんも、うじうじしなくなるんじゃないかな」
廿楽くんがうじうじ…?
「うじうじ…なんて、してませんでしたけど」
「廿楽くんはポーカーフェイスだから、そういうのを見せないようにしてるんだよ」
それはたしかにそうかも。
廿楽くんはあまり表情に変化を見せない。
だから余計に廿楽くんの心が見えにくくて、踏み込みにくいんだ。